事例インタビュー:チームビルディング研修
(THE SUNTORY UN!ON様)

インプロアカデミーはTHE SUNTORY UN!ON様と松下政経塾様の共同研修である「松下政経五感塾」にて、チームビルディングのためのインプロ研修を実施しました。インプロ研修は、2日間に渡って行われた研修の最初のプログラムとして導入頂きました。このインタビューでは、インプロを取り入れたきっかけや、実際にやってみてどうだったかを内海(写真下)が伺いました。

― まずは自己紹介をお願いします!

西岡さん(写真左上):THE SUNTORY UN!ONの西岡と申します。現在は組合本部の専従として勤務しております。組合の中では「学び合う」という項目の活動も行っており、松下政経五感塾の担当もしております。

篠原さん(写真右上):篠原と申します。西岡さんと同じく、THE SUNTORY UN!ONの中央執行委員をしています。また、「学び合う」活動プランにおける松下政経五感塾のサブ担当として、今回の研修に関わらせていただいています。

― インプロ研修を導入に至るまでの流れについて教えていただけますか?

西岡さん:まず松下政経五感塾は、THE SUNTORY UN!ONの組合員と松下政経塾※1の塾生が共に人間力を磨く研修を実施しようという目的で、2016年に立ち上げた研修です。

※1 松下政経塾:パナソニックの創業者である松下幸之助によって設立された未来のリーダーを育成する公益財団法人。

西岡さん:世の中にはいろいろな五感塾がありますが、松下政経五感塾はテーマとして、松下幸之助さんもおっしゃっていた「志」にフォーカスした研修設計にしています。普段は業務で忙しく自分を顧みる時間もなかなか取れないと思いますが、改めて立ち止まって自分の志に向き合ったり、あるいは社外の方と対話をしたりぶつかり合うことで自分自身の志をブラッシュアップする――そういう形の研修にしていこうと考えていました。

その中でインプロワークを導入しようと思った最初のきっかけは、松下政経塾側の幹事の方と打ち合わせをしている中で、「インプロというものもあるようですよ」というお話を頂いたことでした。

その後、篠原と二人で無料体験をさせていただいたところ、いい意味で想定していたものとは違いました。もともとは即興で演劇をするものかと考えていたのですが、実際に体験してみるとインプロの「自分をさらけ出す」といったところが、我々が考えていた「初対面同士で、いかにぶつかり合うか」という点においてとても有用だと感じ、取り入れさせていただきました。

篠原さん:今回のメインテーマが「志のブラッシュアップ」ということで、志をいろいろな角度から見つめてブラッシュアップしていきたいと思っていました。

その中の一つの角度として、いつもちょっと鎧を被っていたりとか、飾ったように見せていたりとか、そういった自分を一旦脇に置いて、ありのままの自分になるということを考えていました。そしてそれが自分にとってどういう状態なのか、相手にとってどう見えるのか、それが分かるコンテンツを入れられないかと考えていました。

また、それを初対面同士でするという時に体験会で内海さんからインプロを教えていただいて「これなら楽しみながらできる」という感覚を持ちました。同時に、先ほどの獲得目標に近づけられるコンテンツだと2人で確信したところがありました。

― 実際の研修の様子はいかがでしたか?

西岡さん:我々は外から見ていただけですが、とにかく「自分たちもやりたかった」と思いました(笑)

みなさんの様子を見て、最初の名前を呼び合うゲームの時点からすごくいいなと思いました。もともとは少人数のグループ内でチームビルディングをするつもりだったのですが、最初から全部の壁を無くして、まんべんなくいろいろな方と素の状態で接する感じがとてもよかったです。初対面同士とは思えないチームが出来上がっていく様子を見て、研修企画者としては裏でガッツポーズをしていました。

篠原さん:私は参加者の表情の変化がインプロを通して一番感じられた部分でした。最初はそわそわしながら空気の読み合いのようなことも起きていましたが、インプロのゲームを通じて少しずつある意味自分本位でもあるし、同時に利他的でもあるという場面が生まれてきました。また、それがお互いの相互理解にもつながっていくことで、表情がすごく柔らかくほぐれていく様子が見えました。

特に頭の中の検閲官※2が取れた瞬間も見られて、それは見る側としてもすごく面白かったです。

※2 頭の中の検閲官:インプロでは大人の頭の中には自分のアイデアをジャッジする検閲官がいると考えている。ワークショップではその検閲官に気づき、休ませるようなワークを行った。

― その後の研修への影響はいかがでしたか?

西岡さん:まずは獲得目標で置いていた「自分をさらけ出す」という部分が得られたのが1つ目です。あとは先ほどもお話しましたが、いろいろな方と接点を持つことができたのは想定していなかった良い影響でした。

また「グッドネイチャー」や「頭の中の検閲官」といったキーワードとして残るようなものを教えていただいたので、その後の研修でも「今また検閲官が出てきた」といった言葉が出てきて、それが活きていたと感じています。

篠原さん:私も最初に行ったインプロがその後のコンテンツを大きく後押ししてくれたと感じています。

インプロワークを行ったことで、自分の言いたいことも言えるし、相手に対する問いの立て方も上辺だけの質問ではなく、心から「なんでこの人はそう思ってるんだろう?」という質問の仕方になっていると感じました。

あとはそれぞれのワークを行った後の内海さんからフィードバックが参加者に対して響いていた部分が大きかったと思います。フィードバックがあることで自己肯定感や自己効力感といったものがグイーンと上がっている参加者もいましたし、自分自身をメタに見ることで内省に向かうこともできていたと思います。

西岡さん:終わった後には参加者の方からいい意味で「よくこんな研修を見つけてきましたね」と言っていただけました。

日本だとまだ普及しきっていないこともあり、なかなかやることがない種類の研修だと思いますが、初対面の方同士の研修を設計する機会が多い我々組合専従者としてはアイスブレイクの武器の一個になると思っています。

初対面同士で集まる場をセッティングすることはこれからもありますので、またそういう時にご相談させていただければと思っています。

― インタビューへのご協力、ありがとうございました!

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