カナダで「REACT2026」に参加してきました!

こんにちは、内海です。8月9日〜19日にかけて、カナダのレッドディアで開催された「REACT2026」に参加してきました!

REACTは、ショーン・キンリー、スティーブ・ジャランド、パティ・スタイルズという世界で活躍する3人のインプロバイザーから学ぶ10日間のワークショップです。3人はキース・ジョンストンから学び、40年という月日をかけてインプロを探究し続けています。

スケジュールはこちら。文字通りインプロ漬けの日々。

この10日間は僕のインプロ人生の中でも特に濃厚な10日間となりました。ここでは印象に残っているいくつかのことを書いてみようと思います。

知っていることと知らないこと

左からショーン・キンリー、スティーブ・ジャランド、パティ・スタイルズ

まず意外だったのは、REACTで教わったことの多くは新しい知識ではなく、知っていることの再発見だったことです。ワークショップの内容はキース・ジョンストンの2冊目の本『Impro for Storytellers』(通称ストテラ)に書かれていることが中心となっており、ストテラの重要性を改めて感じる機会となりました。

一方で、その教え方がショーンとパティでかなり異なることが印象に残りました。(スティーブはマスクのワークがメインのため、ストテラの内容はあまり出てこない。)ショーンは「シーンをどのようにつくっていくか」というステップを教えるのに対して、パティは「シーンがどのように成り立っているか」という構造を教えるという違いがありました。これはどちらが優れているということではなく、同じことを違う角度から見ているような違いであり、それが興味深いことでした。

違うことと同じこと

インターナショナルなワークショップに参加することの面白さは、国や文化によって、インプロの表現が異なることです。2日目の夜に行われたGala(オープニングパーティー的なもの)では、イタリア・アメリカ・日本のインプロバイザーたちによって、それぞれの国の恋愛シーンを見せるというショーケースがありました。特に対照的だったのが、イタリアと日本です。イタリアの恋愛シーンは情熱的なのに対して、日本の恋愛シーンは慎ましく、その違いにお客さんは非常に湧いていました。(それぞれ誇張していたところもありますが、このような違いはワークショップ中にもたびたび感じられました。)

一方で、どの国のインプロバイザーも同じだと感じることもありました。それは「恐れ」によってシーンが停滞する、ということです。失敗しないように正解を探したり、面白いことをしようと力んだりすると、目の前で起きていることに反応できなくなる。これはイタリア人でもアメリカ人でも日本人でも同じで、キース・ジョンストンが恐れをインプロの問題と捉えたのは本当に慧眼だと思いました。同時に、「Be average(普通でいること)」の大事さを改めて感じる機会となりました。

ワークショップの中と外

さて、ここまではワークショップの「中」のことを書いてきましたが、個人的に今回一番学んだのはワークショップの「外」でのことでした。今回のREACTは10日間という長丁場を(途中グループ替えはあれど)同じメンバーで受けていくものでした。そしてそこには、ワークショップ外のコミュニケーションもたくさんありました。

その中には居心地のいい時間もあれば、居心地の悪い時間もありました。特に僕は英語がそこまで堪能ではないので、それによって居心地が悪くなることもしばしばありました。しかしそんな中でも優しい英語で話しかけてくれる人がいたり、楽しくコミュニケーションが取れるときもあって、コミュニケーションの難しさや面白さをたくさん感じる時間となりました。

また、今回のREACTで大きく印象に残っているのは、ホストチームの素晴らしさです。今回のホストであるBULL SKIT COMEDYのメンバーは、50人に及ぶ参加者ひとりひとりのことを本当によく見ていて、その姿には心を動かされました。また、毎日様々な食事を用意していたり、地域も巻き込んでいたりと、そのホスピタリティーには尊敬の念を覚えました。

今回のワークショップではたくさんの「いいインプロ」を見ることができましたが、ホストチームこそが最高のインプロをしていたのではないか、と強く思います。インプロは人生であり、人生はインプロである。それはこれまでも感じていたことですが、この10日間がそれを最も強く感じる時間となりました。

シェアワークショップへどうぞ

さて、ここまでざっくりと印象に残ったことを書いてきましたが、10日間に及ぶ経験はとてもここで書き切れるものではありません。今回学んだことを消化するには、おそらく1年はかかるだろうと思っています。以前ノルウェーのフェスティバルに参加したときも、そこで学んだことを消化するには1年かかったからです。

そしてその最初のステップになるのが、海外インプロのシェアワークショップです。一緒に参加した紗良とともに、今回の学びを2日間でシェアします。これまでは2日間の参加のみを受け付けていましたが、「1日だけの参加はできませんか?」という声を複数いただいたため、1日のみの参加もOKとすることにしました。2日間の参加がおすすめではありますが(というか1日参加すると、きっともう1日も参加したくなると思います)、1日のみの参加も歓迎します。

ともに探究していきましょう。みなさんの参加をお待ちしています!

東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は、海外を含む100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において1000回を超えるワークショップを開催している。NHK『あさイチ』出演。著書『ほんとうの自分で人といられるレッスン』
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