「国際シアタースポーツ™協会(ITI)」のアジア地域担当に就任しました

こんにちは、インプロアカデミー講師のなつみです。

私は今年から「国際シアタースポーツ™協会(以下、ITI)」のアジア地域担当という役割を担っています。とは言っても「ITIってどんな組織なんだろう?」「アジア地域担当って何をする人なの?」という部分は知られていない面があると感じています。そこで、この記事では、これらの疑問についてまとめてみたいと思います。

・ITIについて知りたい
・キースが作ったフォーマットを上演してみたい

という方に、情報が届いたら幸いです!

1. 国際シアタースポーツ™協会(ITI)ってどんな組織なの?

ITIは、1998年に設立された会員制の組織です。「Inspiring The Improvisor(インプロバイザーをインスパイアする)」という合言葉を持ち、世界中のインプロバイザーが会員になっています。

ITIは主要な役割の1つとして、キース・ジョンストンが作ったフォーマットの著作権を守るという役割を担っています。そのため、キースが作ったショーのフォーマットである「シアタースポーツ™」「マエストロ・インプロ™」「ゴリラシアター™」の上演権を管理しています。

これらのフォーマットを上演したいと思った時には、ITIに申請し、承認を得られると上演ができます。そうすることで、上演したいと思う人もいつでもITIに質問できたり、フォーマットのガイドブックにアクセスできるようになりますし、ITIもキースのフォーマットで大切にされていることや質を守ることができます。

またITIは会員である世界中のインプロバイザーやカンパニーをつなぎ、その成長や発展をサポートすることを意図しています。ITIは様々なイベントを開催しますので、会員になるとそのイベントのお知らせが届いたり、さまざまな情報にアクセスできるようになったりします。

そして以下は私個人の感想ですが、キースのインプロを大切に思い、探究を続ける人たちが集まっている組織ですので、キースのインプロのマインドを持った方が多いなと感じています。運営するメンバー達も常に様々な可能性と多様性を考え、受け入れ合いながら運営をしています。

2. アジア地域担当って何をする人なの?

ITIには世界中の人が集まってきています。そのため各国を9つの地域に分けて、それぞれの地域に担当者がいます。地域担当者はITIのオフィスと会員を繋いでいます。

地域担当者は会議に参加し、オフィスからの情報を受け取ったり、自分が担当する地域の会員の活動の様子を報告したりしています。

会員は、何かITIに質問したいことがあったり、上演にあたって困ったことが出てきたりした時や、ITIに要望がある時などに地域担当者に自分の母国語で相談することができます。ITIからのお知らせも、私から日本の皆さんに向けて日本語にして送信したりもしているので、「英語が心配…」という方にも情報が届くようにしています。

また今私がチャレンジしていることとして、キースが作ったフォーマットのガイドブックの日本語版を出版するというチャレンジをしています。「マエストロ・インプロ™」の日本語版ガイド出版に向けて、インプロアカデミーの内海君やIMPRO KIDS TOKYOの下村理愛さんと一緒に翻訳プロジェクトを進めています(アカデミー講師のおしょうも過去に翻訳したデータを提供してくれたりして、皆で出版に向けて動いています!無事お届けできるようになりましたら、お知らせできたらと思います)。

3. なつみは何でITIのアジア地域担当になったの?

ここからは私個人の話も少しだけ書いてみます。

私がアジア地域担当になったきっかけは、現在ITIのアーティスティック・ディレクターを務めるジェフのワークショップを企画する機会があり、そこで繋がったジェフがアジア地域担当が交代するタイミングで声をかけてくれたことでした(各地域担当は、定期的に交代の選挙が開かれています)。その後選挙を経て、今年からアジア地域担当を担うことになりました。

目の前に現れた私に「やってみない?」と声をかけてくれたジェフも、その言葉にイエスと言った自分も、何だかインプロ的だなあと感じています。

そしてITIは、様々な文化が協力し、多様性や可能性を最大限受け入れることを大切にしてくれています。私は英語が得意なわけではありませんが、ITIオフィスの皆はまず私が「日本語ができる」ということを受け取って、一緒に活動しています。

地域担当になったことで、ITIの在り方を肌で感じられることは私にとってとても幸せなことだと感じています。

まとめ

キースのフォーマットの質や大切にされていることを守るために上演権を管理し、インプロのマインドを体現しながら運営されている組織がITIで、そのオフィスと会員の連携を担っているのがアジア地域担当です。

今年の3月にキースは亡くなりましたが、キースの想いを受け取って、守り、発展させようとしている人たちがITIにたくさんいます。そのこと自体がとても大切な遺産であり、これからの可能性だと感じています。

もしITIに興味を持ったり、会員になってみたいなと思う方はぜひお問合せいただければと思います!

そして、11月に開催される「インプロアカデミーの文化祭」ではキースが作ったフォーマットの1つである「マエストロ・インプロ™」を行います!(インプロアカデミーはITIの会員で、マエストロ・インプロ™の上演権を所持しているんですよー!)

インプロアカデミーの生徒、講師が一緒にパフォーマーとして出演しますので、ぜひお楽しみに!観劇のご予約は下記peaticページからお申込みいただけます。また、11日(土)の回はまだ出演者も募集中ですので、出てみたいなという方もぜひ一度お問合せくださいね。

インプロアカデミーの文化祭『MAESTRO™』

名古屋大学を卒業後、東京学芸大学大学院にて表現教育とインプロを学ぶ。名古屋市に在住し、NHK文化センター名古屋教室など東海地方を中心に講師・パフォーマーとして活動している。国際シアタースポーツ™協会(ITI)アジア地域担当。1児の母。
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