オランダでの国際インプロフェスで学んだこと

どーも、忍翔です。先日無事アムステルダムより帰国しました。3月9,10日に控えたシェアWSに向けて、僕が具体的に何を学んで来たのかをざっくりお伝えします。

↓以下、受講したワークショップ↓

The BIG Picture with Ella Galt (12 hours)

ステージピクチャー(舞台上の身体の配置、見え方)を学びました。
僕らは油断するといつも同じ距離、立ち位置で演じてしまいます。それはお客さんにとってドラマチックではありません。
身体を少し動かせば、それだけで印象は大きく変わるし、自分自身も感情的に影響を受けることが出来ます。
最も長い12時間の受講だったので、シェアWSでも多めに扱います。

It takes three: Trio work with Andrew Hefler (6 hour)

即興三人芝居(トリオインプロ)を学びました。
今まで即興二人芝居(デュオインプロ)を扱ったことはあるし、あらゆる俳優ワークショップでもダイアローグや二人芝居を扱うことが多いような気がしますが、今回はトリオを20年近く探求してるアンドリューからその面白さと探求の方針を教えてもらいました。
シェアWSではそのスタイルを少しだけ紹介し、後々連続ワークショップなどで継続的に探求していこうと思います。

Dig Deeper with Lisa Rowland (3 hours)

より具体的に、明確にしていくことを学びました。
特に日本人にはWimping(物事をあやふやにすること)という悪い癖があります。これによって自分からオファーを出すことを放棄して、シーンの責任を回避するのです。
シェアWSでは、それを克服するためのエクササイズをいくつか扱います。
また、講師のリサ・ローランドはアメリカ西海岸で最大級のインプロシアター『BATS Improv』の芸術監督であり、彼女の指導の仕方からもたくさんインスパイアされました。その指導法も実践していきます。

Technical Design for Directors with Lindsey McGowen(3 hours)

照明、音響、美術など、テクニカル面をどう使うかを学んだワークショップでした。
講師であるリンズィーは、アメリカの『Hide Out Theatre』のテクニカルディレクターであり、これまで数多くのインプロショーの舞台監督を担ってきた人で、どれだけ詳細に公演のことを考え、サポートしているのかが伝わりました。
講義形式のワークショップだったので、シェアWSでは、その内容からインスパイアされたオリジナルのワークを扱い、主に音響とシーン・モノローグのコラボレーションに挑戦します。

Games for fun, not just fun and games with Anton Romanus(3hours)

インプロゲームをたくさん扱ったワークショップでした。
受講前は「シーンにおけるゲーム(遊び所)」を探求するものかと思っていたのですが、いわゆるインプロゲームのことだったので、予想とは違った内容でした。
でもその中でも「遊び切る」というアイデアにはとてもインスパイアされたので、シェアWS最初のウォームアップに活かしていきます。

Let’s Play Seriously with Kiva Murphy(3hours)

クラウンを扱ったワークショップでした。
これもタイトルから「シリアスなシーンを演じるのかな」と思っていたのですが、実際はその真逆でした笑。英語だとこういうことよくある。
でもクラウンにとっては「真剣にやること」が面白おかしい要素にもなるので、言ってることは間違っていませんし、久々にクラウンを学んだことで自分の刺激にもなりました。
ということでシェアWSでもクラウンワークやりますね!

↓その他、印象的だった公演↓

フェス期間中の1週間、毎晩2、3公演やられていて、様々な国からのチームや国際的なインプロバイザーが合わさってのパフォーマンスを行っていました。
その中で僕がインスパイアされたショーは3つあります。

①『BABA’s Tale』

「BABA」とはインドの言葉で「年長の男性」を意味します。「長老の昔話」とでも言いましょうか。
長老が架空の伝説、昔話を語り、それを周りで聞いてる子供たち(インプロバイザーたち)が演じるという構成で展開します。
1時間のロングフォーム(長編作品)ですが、ロングの欠点である「自由さの欠落」を、語り役をそれを聞く時間を設けることでカバーしていて、終始インプロバイザーたちが自由に演じていて、最終的に文句なしのスタンディングオベーションを得ていました。

②『Forgotten Trades』

「忘れ去られた職業」をお客さんから貰い、歌とダンスとライブペイントによって表現する斬新なパフォーマンスでした。
このパフォーマンスをやっていたDAUSというチームは、言葉よりも身体や感覚を大切にしていて、そのアイデアがショー全体に生かされていましたし、言葉を超えた強いメッセージを受け取り、観客全体が感動していました。これもスタンディングオベーション。
シンガー兼ミュージシャン、ダンサーの技術がとても高く、ライブペイントをやっていたディエゴはプロの絵描きではありませんが、とても自由でクリエイティブなインプロバイザーで、この公演自体の可能性をお互いが3Dに広げているような印象を受けました。

③『Just Play』

ガエル、セドリック、ダンという3人のインプロバイザーによる、ただただ1時間ルールなしでインプロするという真っ向勝負。
お客さんから小道具をいくつか貰って、いろんなシーンを立て続けに演じていくのですが、もうとにかく自由で大胆でくだらなくて「これぞインプロ!」と思うようなショーでした!
素晴らしいインプロバイザーは子供心があって、それをステージ上で出せる人なんだなと思いました。

これらのショーは観ただけではありますが、そこからインスパイアされたワークなどは、いくつか試してみようと思っています。

↓まとめ↓

今回のImpro Amsterdamを通して、インプロバイザーとインプロの可能性を更に大きく感じました。もっと凄いパフォーマンスも出来るし、インプロのパフォーマンス自体もっといろんなことに挑戦していいのだと思いました。

シェアWSでは、もちろん具体的なエクササイズやエピソードもそうですが、この心意気というかマインドセットも同時にシェアしたいと思っていて、一緒に大きく成長していくためのインスピレーションが与えられたらいいなと思っています。

3月9日と10日、1日だけの参加でも十分得るものがあると思いますので、どうかお越しくださいませ!!!

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International Theatersports Institute(国際シアタースポーツ協会)会員。インプロ、クラウン、マスクを世界で学び、俳優の恐れを取り除き、自由で創造的にするための指導や研修を年100以上行っている。また、自身も俳優として海外のブロードウェイ作品やミュージカルにも多数出演している。ステージキャリアは12年で400ステージ以上。
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