もっと自由に、もっと魅力的になるための3日間

こんにちは、内海です。少し遅くなりましたが、9月の3日間ワークショップが終了しました。今回も

  • インプロ経験2時間のみで参加(演劇経験もなし)
  • 遠く北海道からの参加
  • コーチのためのインプロワークショップで出会ったコーチが参加
  • インプロバイザーが初心を思い出すために参加

など、様々な人が参加するワークショップとなりました。

また、参加する前は「3日間は長いのでは」と思っていた参加者も、終わってみると「もう終わり?」となる、あっという間な3日間でもありました。(この感想は毎回聞くものです。)

さて、3日間ワークショップを東京でやるのは4回目でしたが、だんだんとこのワークショップで目指すものがはっきりとしてきました。

それは「もっと自由に、もっと魅力的になるための3日間」ということです。

この記事ではそのことについて書いてみようと思います。

もっと自由になるために

インプロの基本思想は「大人は萎縮した子供」です。

小さな子供は自然と歌ったり、踊ったり、演じたりと即興しています。しかし、大人になるにつれて「他の人にどう思われてるんだろう」と評価が気になったり、「やってみてうまくいかなかったらどうしよう」と失敗を恐れるようになり、人は即興できなくなっていきます。

3日間ワークショップではまず安全な場をつくり、いつもだったら躊躇うところに飛び込む体験をします。その結果、自分の中にある創造性に気づいていきます。

「自分の中にこんなアイデアがあるなんて」
「自分の中にこんなストーリーがあるなんて」

これはワークショップ中によく聞くふりかえりで、今回のワークショップでもこのような場面はたくさん見られました。そしてこれは遊び心を取り戻すことや、自由になることに繋がっています。

もっと魅力的になるために

多くの人は、自分が自由になるためにインプロの旅を始めます。しかし、途中で気づくのは、「インプロは自分の魅力を発見する旅でもある」ということです。

インプロは即興であり、さらに人と行うものなので、思い通りにいくことはほとんどありません。しかし、思い通りにいかないからこそ、その人の魅力が現れます。

「自分」に固執せず、パートナーや流れに身を任せているとき、その人が本来持っているチャーミングさが現れます。それはエゴを捨てて、本来の自分を表出するようなものです。

ワークショップが終わり、最後の感想で一番出ていたのは「みんながチャーミングだった」というものでした。(そしてそう言っている本人もまたチャーミングだったのでした。)

手放して、手に入る

インプロ=即興演劇を学ぶというと、何か特別な技術を身につけるものと思うかもしれません。もちろん、より演劇的なインプロを目指すときには、身につけるべきテクニックはいっぱいあります。

しかし「即興する」という点に関しては、何かを身につけるというよりも、恐れやエゴを手放すことで、自分が本来持っている創造性やチャーミングさに再び出会うような学びだと思います。

キース・ジョンストンは「家に持って帰りたくなるようなプレイヤーになりなさい」と言います。インプロでは「この人と一緒にいると安心で、楽しくいられる」そういうプレイヤーが輝きます。

3日間ワークショップは、そういう自然体で魅力的な(Good-natured)自分を発見する時間なのだと思っています。そして最後の発表会も、「上手なシーン」を見せようとするのではなく、「素敵な人」を見せることを大事にしています。

興味のある方は、ぜひ次回の3日間ワークショップにご参加ください。その次の回は来年2月あたりと先になりますので、都合がある方は今回の参加がおすすめです。

初めての方も、リピーターの方も、みなさんの参加をお待ちしています。ともに旅に出ましょう。

東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は、海外を含む100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において1000回を超えるワークショップを開催している。NHK『あさイチ』出演。共著書『インプロ教育の探究』
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