インプロアカデミー、はじめます!

こんにちは、内海です。

本日、インプロスクールとして「インプロアカデミー」を立ち上げました!それにあたり、「どうしてインプロスクールを立ち上げたのか」について書いておこうと思います。

はじめに:僕はスクールが好きではない

はじめに言っておくと、僕は基本的にスクールというものが好きではありません(!)何かを学びたいと思う時にはスクールではなく、「この人から学びたい」という個人を見つけて学びにいくタイプの人間です。

なぜなら、基本的にスクールというものは「整うぶん、薄くなる」と感じているからです。スクールになることでカリキュラムとしてはしっかりするけれど、そのぶん即興性が失われ、講師が本来持っている豊かさも薄くなってしまう傾向があると思っています。

ではなぜスクールを立ち上げたのか?

では、なぜそんな僕がスクールを立ち上げたのでしょうか?そこにはいくつかの理由があります。

1. インプロを本当に学びたい人が継続的に学べる場所を作りたい

僕がインプロスクールを立ち上げようと思ったきっかけには、まず『Impro for Storytellers』ワークショップ(通称ストテラWS)があります。

ストテラWSは、キース・ジョンストンの第二の著書である『Impro for Storytellers』をみんなで読んで実践するワークショップです。つまり、半分が読書会で半分が実践という、珍しいスタイルのインプロワークショップです。

さらに、『Impro for Storytellers』は洋書のため、英語を読解する必要があります。このようなハードルから、僕は当初ストテラWSの参加者は多くはないだろうと思っていました。

しかし実際に募集をしてみたところ、継続クラスに通いたいという人は20人を越えました。そしてスケジュール調整をした結果、現在では月曜・木曜クラスあわせて18人が学んでいます。

僕はこの事実に出会ったときに、「あぁ、世の中にはインプロを本当に学びたい人たちが僕の思っている以上にいるんだな」と気づきました。同時に、これまでの自分はそういう人たちに対して適切な場所を提供していただろうか、と反省しました。

もちろん、一部のワークショップはそういう場所であったと自負しています。(たとえば年初にやった「インプロバイザーのためのワークショップ」なんかはそういう場所でしたね。)

しかし、そういう場所を「継続的に」提供できていたかと考えると、それは全然できていなかったなぁと思います。それよりも僕の興味・関心の赴くままに過ぎなかったと思います(もちろん、自分の興味・関心に従うことも大事なことですが)。

インプロを本当に学べる場所を継続的に提供していきたい。そう考えたときに思い浮かんだのがインプロスクールでした。

2. 様々な人がインプロを学べる場所を作りたい

さて、1.で考えていたのは「インプロを本当に学びたい人たち」に向けた場所でした。

一方で、「なんとなくインプロに興味がある」人に対してもインプロが体験できる場所を用意することは大事だと思っています。逆に、それをしなければインプロの業界は先細りをしてしまうでしょう。

そのことを考えたときにも、やっぱり必要なのはスクールだと思いました。同時に、信頼できる仲間だと思いました。僕一人で初心者から経験者まで、継続的にインプロを学べる場所を作るのはとても不可能だからです。

また、最近は自分の特性についても考えています。僕はキース・ジョンストンのインプロの理論的な部分だったり、ストーリーテリングを教えることは得意です。一方で、ただ楽しい場所を作ったり、俳優に寄り添ったりすることはあまり得意ではありません。

先日ひろきゅんの朝インプロに参加したところ、すごくリラックスした温かい雰囲気に驚きました。そしてこの場所は「とにかくインプロの楽しさに触れたい」という人たちにとってとてもいい場所だなぁと感じました。

また、俳優にインプロを教えることに関しては僕よりも忍翔のほうが俳優の気持ちに寄り添えると思っています。そして、なつみは「インプロの母」と呼ばれるヴァイオラ・スポーリンのインプロの専門家です。さらは「英語インプロ」というとても可能性がある分野を現在切り開いています。

様々な講師がいることによって、様々な人がインプロを学べる場所を作れる。それは当たり前のことですが、これまではバラバラにやっていたため、参加者にとってはアクセスがしづらかったと思います。

インプロアカデミーはこれらの講師が集まることによって、様々な人がインプロを学べる場所にしたいと思っています。

3. キース・ジョンストンのフォーマットを上演したい

インプロスクールを立ち上げたもうひとつの理由として、「キース・ジョンストンのフォーマットを上演したい」というものがあります。

ストテラWSも含めて、オンラインになってから僕は改めてキース・ジョンストンのインプロを学びなおしています。その中で、キース・ジョンストンのフォーマット(マエストロ・シアタースポーツ・ゴリラシアター)はエンターテイメントであると同時に、とても教育的であると感じています。

キース・ジョンストンのフォーマットをやる中でキース・ジョンストンのインプロの大事なことが学べるし、逆に言えばフォーマットをやらないと「なぜキース・ジョンストンのインプロはこうなっているのか」が分からないことも多いと思っています。

したがって、今後はキース・ジョンストンのフォーマットを定期的に上演していきたいと考えています。そしてそのときにもチームとして動くことが必要だと思いました。

キース・ジョンストンの「インプロ」は手軽に始められるものです。一方で、キース・ジョンストンの「フォーマット」はかなり厳格に作られていて、上演するためにはフォーマットを理解した人たちが一定数必要になります。

インプロアカデミーは参加者にとってはスクールですが、僕たちにとってはチームでもあります。チームとしてお互いに学び合い、高めあい、よりよい舞台を作っていきたいと思っています。そしてそれができるメンバーだと自負しています。

インプロアカデミーが目指すところ

これは少し夢物語のようになりますが、インプロアカデミーはゆくゆくは参加者も含めてやんわりとしたチームのようになればいいと思っています。

最初はただの参加者だった人たちが、いずれはチームメンバーとして一緒にショーを作っていき、そして一緒に働いていけるような場所になれば素敵だと思っています。

7月からは「キース・ジョンストンのインプロ」クラスが始まります。今回はキース・ジョンストンのインプロの基本的なところから扱っていく予定です。ただ楽しみたい人も、改めて学びたい人も、ゆくゆくは仲間になりたい、という人も、みなさんの参加を歓迎しています。

最初にも書いたとおり、「スクール」という場所は即興性を失いやすいものです。しかしインプロアカデミーは常に即興性を大事にしたいと思っています。それによってときには失敗することもあるでしょう。しかし、そんなときでもお互いを認め合い、助け合い、高めあえるのがインプロバイザーです。変わり続けながら、理想に近づいていきましょう。

未熟なスクールではありますが、未熟だからこそ素敵な場所になればと思っています。インプロアカデミーをどうぞよろしくお願いします!

1985年横浜生まれ。東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は100を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において500回を超えるワークショップを開催している。