キース・ジョンストンのフォーマット「マエストロ」とは?

7月から始まる「キース・ジョンストンのインプロ」クラスでは、最後にマエストロの上演を行います。それにあたって、「マエストロ」とはどんなフォーマットなのかを忍翔が書いてくれました。ご興味ある方はぜひご参加ください!

マエストロとは?

キース・ジョンストンが創ったフォーマットの1つです。10人前後のプレイヤーと2人のディレクターによるショーで、ディレクターはくじで選んだプレイヤー(通常番号札が付いている)にやってもらうシーンを提案します。

選ばれたプレイヤーは即興でシーンを創り、終了後に観客による投票によって1〜5点が貰えます。これを何ラウンドか繰り返し、最終的に最も点数を獲得したプレイヤーがマエストロ(優勝)となるフォーマットです。

マエストロは何のために作られたか?

マエストロは、数あるキースのフォーマットの中で最も汎用性が高いものです。元々、キースが自身の連続ワークショップの最後にやる、発表会のために創ったフォーマットなので、そもそも初心者がやりやすいように設計されています。

2人の強いディレクター(経験豊富なインプロバイザーが担当する)がショーのクオリティをコントロールするため、プレイヤーはディレクターの存在によってより自由にパフォーマンスが出来るのです。

もちろん、経験のあるインプロバイザーにとっても良いフォーマットで、そういう人達はショーの中で初心者をサポートすることで、インプロバイザーとしての能力を高めていくことが出来ます(通常マエストロでは、初心者と経験者の割合を1:1くらいにします)

日本でのマエストロの扱い

ここからシビアな話です(笑)このようなショー形式は、もしかしたら聞いたことがある人がいるかもしれません。中にはやったことがある人もいるでしょう。

しかし、それが本当にキースの思想に沿っているかどうかは疑問です。

というのも、日本(というか恐らく世界的に見ても)で、キースのフォーマットをキースの思想に基づいて上演しているチームがそれほどいないからです。

例えば、ショーの中でゲームが多くなってしまったり、シーンの1つ1つがやたら長かったり、優勝することに価値を見出していたり…、こういった例はキースの思想と反しています(その辺りの詳しいことはWS内で(笑))

今回のWSでは、そういった誤解を解いていくと同時に、キースの思想に沿ったマエストロの上演を目指します。

なぜキースの思想に沿うのか?

ここまで僕が(そして我々が)キースの思想に沿わせたい理由は、別に僕がiTi(国際シアタースポーツ協会。キースのフォーマットのライセンスを管理している)会員だからではありません(笑)

単純に、その方が面白いからです。

例えば、インプロゲームをやることは確かに楽しいですが、プレイヤーにとって最もリスクがあるのは普通にシーンをやることです。僕ら(そしてキースも)はプレイヤーが面白おかしいことをやるよりも、リスクを負っている時の姿の方が魅力的だと考えています。

だから、キースのフォーマットは、プレイヤーがなるべくリスクを負えるように創られています。なので、常にインプロをうまくやりたい人には、今回のWSならびにショーは向かないかもしれません。しかし、将来的にインプロがうまくなりたい人には、めちゃくちゃ向いています。

本当に良いインプロバイザーになるために

今回のWSは、キースのインプロを誠実に学ぶことで、本当に良いインプロバイザーになることを目指します。楽しくもないのに楽しいフリをしたり、失敗が怖いのに怖くないフリをしたり、するのではなく、本当に楽しいことを楽しみ、本当に失敗が怖くなくなるように、サポートしていきます。

そして、危険を冒すには、安全な場が必要です。そのための2人講師体制(本番のディレクターも同じ)であり、そのための連続WSなのです。キースが全てを俳優、インプロバイザーの成長ために設計したように、我々も全てを参加者の成長のために設計しています。

この夏、一緒に新しい自分に出会いましょう。

「キース・ジョンストンのインプロ」クラスの締切は6月28日(日)です。どうぞお早めにお申し込みください!

2011年に日本初の学生インプロ団体「劇団しおむすび」を結成し、2015年に国際シアタースポーツ協会(iTi)会員となる。以降キースのフォーマットのガイドブック翻訳や、海外講師のWS企画など、世界の最先端のインプロを日本に広める活動をしている。