「ヴァイオラ・スポーリン」ってどんな人?

7月から「ヴァイオラ・スポーリンのシアターゲーム」クラスが始まります。このお知らせをしたところ「スポーリンって詳しく知らないかも…」という方がちらほら。そこで、担当講師の豊田夏実さんが紹介文を書いてくれました。最後に、オススメの参加者も教えてくれています!ご興味ある方はぜひご参加ください!

ヴァイオラ・スポーリンとは?

ヴァイオラ・スポーリンはアメリカの教育者、演劇指導者です。
1906年にアメリカ合衆国シカゴに生まれた彼女は、もともとは社会福祉士になることを目指し、グループワークスクールで学んでいました。そこで学んだことが、後の彼女の理論と実践に強い影響を与えています。

1939 年、スポーリンはシカゴの公共事業促進局で大人や子ども達に演劇を教えることになりました。スポーリンは演劇を教えるために自らが学んだゲームの要素を盛りこみました。これがシアターゲームの始まりです。

スポーリンはその後も6 歳以上の子ども達で構成された劇団で演出を務めたり、自身の息子であるポール・シルズが中心となって立ち上げた即興コメディ劇団「セカンドシティ」などでもワークショップを行いました。セカンドシティは後にアメリカのコメディ番組「サタデーナイトライブ」へ多くのメンバーを送り出しています。

スポーリンは演劇分野に限らず教育、心理学、非行少年更生施設など幅広い分野でワークショップやデモンストレーションを行い、学生や専門家にシアターゲームを紹介しました。

なぜインプロの母と呼ばれているの?

スポーリンが作り出したシアターゲームはアメリカのインプロを生み出すきっかけとなりました。スポーリンは自身の息子であるポール・シルズと彼の仲間達にもシアターゲームを使った指導を行いました。それが後にシルズが立ち上げるアメリカ初のインプロ劇団「コンパス」の活動に結びついています。

またそれ以前にスポーリンが1939年に子ども達と行った「観客の提案からストーリーを作る」という試みが今のインプロの原型と考えられています。

スポーリンは1963年に、自身の理論をまとめた書籍である『Improvisation for the Theater』を出版し、その後も教師向け、演出家向け、俳優向けなど、対象者を分けたシアターゲームの書籍を残してくれています。誰もが即興に取り組むことができるように理論と実践を残してくれたこともスポーリンの功績ではないかと思います。

シアターゲームとは?

シアターゲームはスポーリンが考案したゲーム形式のエクササイズです。

スポーリンは移民や貧民街の子ども達が抱える社会的な課題や、演劇に取り組む俳優が演じる上で抱える課題について、ゲームを用いて解決することを目指しました。スポーリンはゲームに楽しんで取り組んでいくうちに、子ども達や俳優が抱える問題が解決され、能力が引き出されると考えていました。

例えば「3つの変化」というゲームでは、子ども達や俳優が相手を観察する力を養うために、2人1組で向き合ってお互いをよく観察した後、自分の服装などに3つ変化を加えて相手に当てさせる、ということに取り組ませています。

このようにスポーリンが作ったシアターゲームは300を超えています。スポーリンはそれぞれのゲームに目的や集中すべきポイント、やり方や注意事項を詳細に書き、誰もが取り組めるようにしてくれています。

このワークショップはどんな人におすすめ?

スポーリンの理論は、インプロが初めてという方には入りやすく、またインプロを経験してきた方にはさらに深い洞察を与えてくれるため、このワークショップではどなたでも歓迎しています。

日常でも取り組める自分の感覚に向き合うゲームや、シーンの中で自分が扱う「物」や「場所」を詳細に扱うゲームなど、それぞれの人が今いるところからシアターゲームを通じた発見ができます。

今回のワークショップではこのスポーリンの理論を概観していこうと考えているので、「スポーリンやシアターゲームについてよく知らないから知りたい」という方にもぜひ受講をお勧めしたいと思います。

「ヴァイオラ・スポーリンのシアターゲーム」クラスの締切は6月28日(日)です。どうぞお早めにお申し込みください!

名古屋大学を卒業後、東京学芸大学大学院にて表現教育とインプロを学ぶ。名古屋市に在住し、NHK文化センター名古屋教室など東海地方を中心に講師・パフォーマーとして活動している。国際シアタースポーツ™協会(ITI)アジア地域担当。1児の母。
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