学び続ける人だから教えられる。チャレンジし続ける人だから憧れられる。

こんばんは、内海です。さて、インプロアカデミーの講師で上演するゴリラシアターまで残り1週間となりました。それにあたり、「なぜゴリラシアターをやろうと思ったのか?」について少し書いてみようと思います。

学び続ける人だから教えられる

今回ゴリラシアターを上演することにした第一の理由は、「講師陣のレベルアップ」のためです。インプロアカデミーの講師陣は、現状でもかなり高い水準に達していると思います(少なくとも日本では)。

しかし今回、更に高いレベル(世界レベル)を目指すために、パティ・スタイルズ(Patti Stiles)にゴリラシアターの指導・演出をお願いしました。

パティ・スタイルズはオーストラリア在住のインプロバイザーで、キース・ジョンストンの愛弟子の一人です。キース・ジョンストンについて様々なアーティストが語る「On Keith」にも出演しています

僕はこれまで様々なインプロバイザーから指導を受けてきましたが、その中でもパティのシーン分析能力はズバ抜けていると思います。ゴリラシアターの稽古は3分のシーンに対して10分のノート(フィードバック)を受ける、といった形でしたが、そのノートのどれもが非常に的確なものでした。抽象的なアドバイスではなく、「どこまでがうまくいっていて」「どこからうまくいかなくなって」「どうしたらうまくいくか」を非常に具体的に指摘してくれました。

その結果、講師のディレクションスキルは格段に上がっていると感じます。それは単純に「うまくなった」というよりも「目指すレベルが変わった」という感じです。先程世界レベルを目指すと書きましたが、まさにそれが見えてきたと感じています。(見えるとできるはまた別問題なので、絶賛自主稽古中でもありますが。)

僕は人から学ぶ時に、「自分自身も学び続けている人」から学ぶのが好きです。もっと言えば、学び続けている人だからこそ教えられると考えています。教える人が学びをやめた時、教える力は現状維持ですらなく、衰退していくものだと思っています。

インプロアカデミーの講師たちはゴリラシアターを上演するまでもなく、みな学び続けている人たちです。しかし今回ゴリラシアターの上演を決めたこと、その指導をパティにお願いしたことで、その学びが大いに加速したと感じています。

チャレンジし続ける人だから憧れられる

ゴリラシアターを上演することにした第二の理由は、「講師もチャレンジしている姿を見せよう」というものです。

インプロアカデミーでは、これまでクラスに通っている生徒さんたちでマエストロやシアタースポーツを上演してきました。それはとてもチャレンジングなものでした。

「では私たちは何にチャレンジできるだろう?」

そう考えた時に思い浮かんだのがゴリラシアターでした。

キース・ジョンストンが開発したフォーマットのうち、マエストロが初心者向け、シアタースポーツが中級者向けだとしたら、ゴリラシアターは上級者向けです。はっきり言って、ゴリラシアターはかなり難しいです。ゴリラシアターのガイドには次のように書かれています。

インプロの中で人生や人間の状態について探求しようとしているシーンを見ることは稀です。ゴリラシアターは、インプロバイザーにこれらのストーリーを探求する機会を与えます。ディレクターとして、あなたは自分にとって重要なトピックやテーマを扱うことができます。それらをどうやって舞台に取り入れられるか、というチャレンジです。愛していることを試したり、挑発的に考えてみましょう。そして失敗したら、喜んでおしおきを受け入れましょう!あなたは創造的な探求をする機会を得て、何かを学んだのですから。

Keith Johnstone他 “A Guide to Keith Johnstone’s Gorilla Theatre” International Theatresports Institute, 2017

ここにも書いてあるように、インプロで「人生や人間の状態について探求しようとしているシーン」を見ることは稀です。僕たちにとっても、このようなインプロをすることは難しいことです。しかし、難しいからこそやりがいがあります。

僕はインプロバイザーが「なんか面白いことをしている人」ではなく、憧れられる人であってほしいと思っています。しかしそれはインプロバイザーが完璧な人だからではありません。いつも挑戦している人だからです。

はたして僕たちの学びの成果、そしてチャレンジの旅はどのようなショーとなるでしょうか?みなさまのご来場をお待ちしています!

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1985年横浜生まれ。東京学芸大学に在学中、高尾隆研究室インプロゼミにてインプロ(即興演劇)を学ぶ。大学卒業後は200を超えるインプロ公演に出演するほか、全国各地において1000回を超えるワークショップを開催している。