キースクラス参加者インタビューVol.1:さみー・みさと「毎回自分の皮が剥がされる感じ」

インプロアカデミーに参加してくださった方に感想をお伺いするインタビュー企画。今回はキースクラス(朝)に通ってくれたさみーとみさとにお話を聞きました!朝クラスを担当したなつみと事務局のめろが加わり、4人での座談会形式。二部構成の第一部です。

み)みさと さ)さみー な)なつみ め)めろ

インプロ歴はほぼなし!完全初心者からのスタート

な)早速ですが、2人はインプロ始めてどれぐらいか聞いてもいい?

み)私はインプロ歴って言えるほどやったことはなくて。まだオフラインのときに、うつみくんが定期的にやってるワークショップに3回ぐらい行ったかなって感じです。それが1年前かな?

な)インプロ歴3回!だね!さみーはどんな感じ?

さ)私は、うつみくんとアレクサンダーテクニークの海津さんが一緒にワークショップをしたことがあって。それが2018年の2月。

もともと海津さんの知り合いだったので、インプロのことは知らなかったけど、海津さんがいうから面白そうだよねと思って参加しました。その時は、なんだか分からないけど面白いで帰ったんですね。

そのあと、今年の2月に非認知能力の講師になろうと思って講習に行ったときに、インプロジャパンの方が子ども向けに表現遊びのインプロプログラムを作ってくださってました。

(そのプログラムは厳密にいうとインプロとは)少し違うとは言ってましたが、インプロのことを知っておいた方が絶対いいだろうと思って調べはじめました。そしたらうつみくんが今回のインプロアカデミーを作りますってお知らせをしてて、「よし!これだ!」と思って申し込みました。

なので、オフライン1回とキースクラスが始まる前の無料ワークショップに1回。3回目にして、このキースクラスに参加しました。

め)2人ともほんとに初心者からのスタートなんですね。

さ)み)そうです!

どうしてキースクラスに参加しようと思ったの?

な)今さみーも少し話てくれたけど、どうしてこのキースのマエストロのクラスを受けようと思ったのかっていうのも気になってて。

み)私は、自分の人生の中で失敗を恐れていることが自分の課題だなと思ってて。やってみたいけど、うまくいかなかった時のことを考えると怖くなっちゃって、(行動に)移せない。うつみくんのオフラインのワークショップを受けたのも、そこで掲げられていたテーマが「失敗を楽しもう」というもので、「これは私に必要だ」と思ったからなんですね。そのワークショップがすごくいい場だなと感じていました。それ以降受けるタイミングが無いまま1年たってしまったんです。でもコロナになって、(インプロアカデミーを)オンラインでやるというお知らせを見て「これは絶対に受けたい」と思って参加しました。

もうひとつ。いま、アレクサンダーテクニークを教えていて、その中で役者さんに教える機会が出てきたんですね。(役者ではない)自分でも身体の使い方ってことで教えられはするんですけど、自分が表現する場にいないっていうのが疑問だったんですね。自分が体験していないことを本当には教えられないよなと思って。そこで、自分も表現する場に行きたいっていうことは思ってました。

その点でも、インプロが合ってるかな、うってつけだなと思ってました。

な)こうやって飛び込んだことはすごいチャレンジだよね。

み)そうですね。はじめはすごい怖いと思いました。ワークの期間中もみんなでLINEで本音を吐露しましたけど、途中はすごい怖かったです。

な)この話はあとで詳しく聞きたいね。さみーはどう?

さ)私は常に2つ3つの仕事を掛け持ちしていて、物事をいろんな角度から見るとか、6歳の子を教えようと思ったら、まず6歳の子のゴールを考えてから逆算するっていうことをよくしてたんですね。なので、インプロはまだ全然よく分からないから、一回このクラスに通ってみて、参加することでなにか見えるかなと思って(参加しました)。

だから、「マエストロって何?いざとなったら逃げてもいい?」ぐらいな感じでした。

み)私もマエストロっていうの分からなくて申し込んじゃって、発表会って聞いて「ガーン」となりました。

な)最終的に20人くらい見にきてくれてたもんね。

仲間を信頼することができるようになった

な)マエストロを知らない段階からショーまで行くことができた2人だと思うんだけど、その間に印象に残ったこととかなんかこれ学んだみたいなことってなんかある?

み)いっぱいありすぎて。
毎回自分の皮が剥がされる感じがして、なかなかハードでした。自分が見たくないなって思うことに向き合わざるを得なくなるような感じはありました。

な)例えばこれっていうことはある?

み)気づいた中で大きかったのは「仲間を信頼していいんだ」ってこと。これは結構大きかったですね。ワークの中で「(シーンは)みんなで作り上げるんだよ」っていうことを聞いて、1人で頑張らなくていいということに驚いた。前までは、その場でやってる人が自分の頭の中からアイデアを頑張って出してると思ってた。でもそうではなくて、誰かが出した答えをみんなで正解にしていくんだということを教えてもらった。その時は「そうだったの?」という感じでした。

この考え方は、自分の日常的な習慣としてあって。自分でなんでも解決しなきゃいけないとか、言わなきゃいけないとか思ってた。だから怖くなっちゃうんだな、頑張りすぎて疲れちゃうんだなっていうことに気付けたのは大きかったですね。

な)毎回クラスの始めと終わりに学んだことや思っていることを聞く時間があるんだけど、みさとが自分1人で頑張らなくていいんだって思ったっていう感想を聞いた覚えがある。

み)そういうことに気付いたけど、でも実践でやろうとすると頑張っちゃったり、1人でやろうとする瞬間があって、分かってるけどできないっていうのは結構ジレンマでしたね。

な)わかってるけどできないみたいな時はあるよね。そういう時には、クラスが終わった後の(個人的な)反省会タイムがあるみたいなことを、みんながLINEで喋ってたなーって思い出した。

み)次までの1週間で、その前の週で気付いたことが日常の中でもやっぱり浮上してきて。「こういうところだよねー」とか意識せざるを得なくなる。

最終的には、そこに気付いて周りのことも信頼できるようになった、マエストロまでにそうなってったっていうのは私の中で大きな学びだったんですけど、変化の途中って結構きついんだなって思いました。

な)これがきっかけでできるようになったって思えた瞬間って何かあるのかな?

み)明確にはわからないけど、次の週、次の週ってみんなでゲームをしていく中で、気負わずアイデアを言えたとか、相手のことをちゃんと見てたら自分で何とかしようと思うのが減った気がするとか、そのいうところから蓄積されてったような気がします。信頼ってこういうことかなーって

な)5~7週目ぐらいになってくると、みさとが前と全然違うなって感じを私も忍翔も感じてたと思う。

失敗を笑えるようになった

み)あとは、やっぱり人と比べるというのも結構大きかったかなと思って。周りの人達は経験がある方だったんですごい素敵に見えちゃって。「なんであんなアイデア出せるのすごい」とか「羨ましい」とか

みなさんキャラが立ってるんですよね。いずっちとか一点キャラみたいなのがあるじゃないですか。そういうことに対しても「キャラが立ってて羨ましい」とか結構思ってました。「私のキャラってなんなんだろうな。なんかぼんやりしてるな」って自分で思ったりして。でも、比べてもしょうがないから、ちょこっとずつ変わっていけばいいかって途中から思ってたかな。

な)マエストロでみさとはだいぶキャラ立ってたと思うけどね。Dear Diary(※2)で「知らんけど」って連発してて、私ずっと笑ってた。

め)私も笑ってた!お客さんからもチャット来てたもんね。

み)マエストロでテンパりながらも1人のシーンをやったっていうのは、だいぶ自信になりました。結果がどうとかじゃなくて、そこにチャレンジした自分を褒めてあげられるようになったっていうのは大きかったです。

め)「マエストロって何?」からのスタートだったのにね。

み)だから確認するの怖かったけど、送ってくださった動画で自分を見た時に、「本当にずっと言ってるよ」って自分で爆笑しちゃって。そしたら、日常生活でもずっと言ってることに気が付いて。それに気づいたらまた面白くなっちゃった。

め)でも、それを笑えるのがすごくいいね。

み)ほんとにそうです。前までは、恥をかくこともすごく嫌だったんですよ。うまくいってない自分を見せるのが怖くて。そこを開き直れたっていうか、そこも大きな成果でした。うまく行ってないけど、おもろいみたいな。そういうのがやっぱ失敗を楽しめるって事なんだなーって思いました。

な)ほんとにそうだね。
人前に出て何かやるってすごいチャレンジだし、それをやってみて、できてもできなくても笑い飛ばせるみたいなのはすごいこと、失敗を許せるってことだなーって思う。

分からない中でひたすらもがいた

な)さみーは印象に残っていることってある?

さ)いま、色々思い出してて、私は最初の「私は木です」(※1)がすごくきつかった。「なぜに木?」みたいな。あと、半分くらいの方が(慣れているのか)ポンポンポーンと答えていて、自分が「鳥で入ろう」って思った時には別の人が鳥で出てる、「あーじゃあ次どうしよう」って思ってるうちに出ていけなくなっちゃった。それで途中から「もう分からないから見てよう」ってなって見てたんだけど、何となくこれ言わないとまずい感じになってようやく出ていく、というスタートだった。

キースとかインプロは教育のトピックに入っていることを知っていたけど、「これがどうやって教育に結びつくんだろうか」とかよく思ってました。

めろさんが朝インプロの紹介記事を書いていらっしゃるじゃないですか。キースクラスに通い出した頃に読んだんですが、その時は全然分からなくて。朝インプロの記事自体はすごくわかりやすく書いてあるんだろうけど、(今の)私には分からないって思ったんですね。

それくらい分からないって感じだったので、クラスをやっている間ももちろん分からないことだらけで。私はストーリーを止めることが多かったんですね。それもなぜそうなってるのかも分からなくって。
例えば、地下室に入ってみんなでろうそくをっていうシーンがあったんですけど、私は「ろうそくは一酸化炭素中毒になる」と思って駄目だったんですね。でもみんなはそうじゃなくて「わーい」ってすぐ入っていってた。その時に皆さんの話を聞いて参考にして、1人反省会をよくしてました。よく参考にしたのがいじゅです。いじゅの考えがいいなと思ったらそれ以降頭の中にいじゅを住まわせて、「いじゅだったらこう言うかな」と考え方をトレースしようとしていました。

忍翔がクラスの終わりに、毎回「何かわからないことはある?」って聞いてはくれるんです。でも、言ってることはわかる、やることもわかる。でも(腑に)落ちてないから行動できない、行動に移せないってことがずっと続いていて。もし分からなかったら「ここ分からないです」って聞けるんだけど、わかってるのにできないだけだったから聞けなくって。そこら辺を思ってる間はキツかったですね。

例えば英語とかだったら、この英語がわかんないから、ここを勉強したら次は分かるかもしれないって思えるんだけど、毎回クラスが終わっても、次はどういうふうにしたらいいのか、思い通りできるかっていう道筋が分からなくって。インプロの本を買ってみても本は本でまだ難しく感じてるから一回棚上げてみたいな。

とにかく実践の刺激が強すぎて、ふと電車にいるとインプロって調べてたりとか、「私は木です」をこれでいいのかみたいなことを考えて考えて考えてまたクラスに行くんだけど、そこでも刺激が強すぎてまた考えてみたいな繰り返しだった気がします。

め)日常生活ずっと考えてたんですね。

さ)そう。だから先週すごく楽でした。クラスが終わって何も考えてなーいって感じでした。

な)しばらくはクラスが終わったら考えて考えて考えて、それでもわからないってなってたみたいだけど、その状態が変わったなーっていう時とかってある?

さ)ある日、忍翔が「今日の主役はさみーにしたから」とか言ってた日。あの日は「なんで私にこんなにダメ出しをするの」って、「なんか気に触ることした?」って思ってた。最後になつみに促されて(感想を)言った時に私は壊れまして。本当に何にも考えられなくなっちゃって。「どうしよう、何も考えられない。真っ白だ」と思いました。

そのあと、グループLINEにすぐにみさとが書き込んでくれて。他のみんなも思っていることをいろいろ書いてくれてとても嬉しく思いながらも私ダメかも…と。その日からは心が空っぽで参加していました。

あとは、夜クラスへ振替もさせてもらって、そこでなんかまあいいやって(思えた)。(マエストロの)あとにゆうに「ありがとね」って言ったら、ゆうが「最後の2回は傍から見てても全然違ったよ」って返してくれてたので、変わったとしたらそこだったかもしれない。

な)確かにあの日からさみーを止めるものが減ったっていう感じがしたかも。やろうって思ったことが体と繋がって出てきてるような。

さ)一回考えるフェーズが本当になくなっちゃいました。

※1「私は木です」インプロゲームの1つ。1番の人が「私は木です」と言って木になりきり、次の人がその周辺にありそうなものになりきって入ってくる。最終的に参加者で1枚の写真を作りあげていく。
※2「Dear Diary」インプロゲームの1つ。自分の日記を書くように物語を進めていく。ディレクターが「次の日」と言ったら途中でやめて、次の日の物語を書き進めていく。

ここまでの感想

完全初心者からスタートした2人。「仲間を頼る」「失敗を楽しむ」「正解がない中で模索していく」などのインプロの考え方や特徴に触れ、できないことが苦しかった時期があったようです。でも、大人になってから自分自身と真剣に対峙することや、分からない中でももがき続けるという経験はそんなにできないことではないかなと感じました。強烈な2ヶ月を過ごした2人が、最終的にどう変わっていったのか、どうしてマエストロまで駆け抜けることができたのか。第二部ではその点をより詳しく聞いてきました!ぜひお楽しみに!!

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1995年静岡県出身。埼玉大学にて教育を学びながら、ミュージカルや演劇活動を行う。その後出会ったインプロに教育的価値を感じ、公演制作や俳優のアシスタントとして普及活動を行なっている。